親が元気でいてくれた頃、もっとしてあげられたことがあったな、とふと思います。一緒に旅行にも行きたかったし、家でゆっくり過ごす時間も、もう少し持てたかもしれません。
でも現実は、「仕事があって」「家庭のことがあって」と、毎日の中で後回しになってしまうことも多くありました。
本当は、どうにもできなかったわけではないのかもしれません。少しやり方を変えれば、時間をつくることもできたのかもしれない。そう思うと、今になって少しだけ心に残るものがあります。
ふと考えるのです。もし同じことが、子どもの大事な場面だったとしたら——きっと迷わず、できることを優先していたのではないかと。
親はきっと、そんな私たちの事情も分かってくれていたのでしょう。忙しいことも、思うように動けないことも、何も言わず受けとめてくれていた気がします。その分、少しだけ寂しい思いをさせていたのかもしれません。
親という存在は、本当にあたたかくて、広い心で見守ってくれるものだと、今になってしみじみ感じます。
「親孝行したいときには親はなし」と言いますが、もしずっとそばにいてくれたら、私たちはきっと、いつまでも甘えてしまうのかもしれません。
いくつになっても、子どもは子どものまま。そんなふうに思えるのです。
